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全日本スキー連盟について

スノーボード・スロープスタイル、ビッグエアとは?

写真提供:国際スキー・スノーボード連盟

スロープスタイルは、全長約700mのコースに連続的に設置された人工アイテムを演技をしながら滑り降りる採点競技です。アイテムには、形状の異なるレールなどが複合的に設置されるジブセクションと、サイズや形状が異なるジャンプ台が設置されるキッカーセクションがあります。選手は自身でアイテムを選択したジブトリックと進行方向や回転方向に変化をつけたジャンプトリックを組み合わせて滑走します。個別のトリックの難度、完成度や全体の滑走の多様性、流れの印象などが総合的に評価されるため、各選手のオリジナリティやクリエイティビティ、総合滑走力が見どころです。

写真提供:国際スキー・スノーボード連盟

ビッグエアは、キッカーと呼ばれる飛び出し口から着地までが約18mの踏切台で行われるジャンプトリックの採点競技です。選手は回転軸や、ジャンプ中に板を掴むグラブの位置で独自のスタイルを表現します。難度、完成度、高さ、着地の安定性などが評価され、また異なる回転方向の2本のトリックを持ち合わせていなければならないため、各選手の高さのある高回転スピンのダイナミックさ、ビタ着を決める正確性、多彩な持ち技が見どころです。

スロープスタイルは2014年のソチオリンピック、ビッグエアは2018年の平昌オリンピックからそれぞれ正式種目に採用されました。オリンピックのスロープスタイルとビッグエアでは同じ選手が出場するため、その他の大会でも選手たちは両種目に出場することが通常です。

競技ルールと採点基準

スロープスタイルは予選2本のうちベスト1本のスコア、決勝では3本もしくは2本のうちのベスト1本のスコアで順位がつけられます。ビッグエアは予選2本のうちベスト1本のスコア、決勝では3本のうち異なる回転方向のベスト2本の合計スコアで順位がつけられます。予選の参加人数が多い場合は約25名ずつのヒートに振り分けられ、予選の出走順は、各ヒートのポイントランキング1〜10位、11位〜20位、21位以下の選手たちのそれぞれのグループでドローを行ない決定されます。決勝進出人数は、男子10~12名、女子6~12名のうち各大会において設定され、予選と決勝の間に準決勝が設けられる場合もあります。決勝では予選順位の下位選手から先にスタートしますが、ビッグエアの3本目の滑走では、決勝2本を終えた時点での順位の下位選手からスタートします。

スロープスタイルの採点方法には、総合的印象を評価するオーバーオールインプレッションシステムと、各セクションごとのトリック評価60%と滑走全体のコンポジション(構成)評価40%を組み合わせたセクションバイセクションがあります。採点基準では、セクションバイセクションは、トリックジャッジでは完成度、難度、高さ、進展性などが、コンポジションジャッジではこの他、多様性(スピントリックの軸や方向)、コースユーズ(コース全体のマスター)、フロー(流れの中断がないエッジコントロール)などが重視されます。オーバーオールは、これらを総合的な観点から評価します。また着地の正確性を欠く場合には失敗の程度により減点されます。ビッグエアの採点方法は、総合的印象を評価するオーバーオールインプレッションシステムです。採点基準では、回転方向に対するグラブや着地の難度、多様性、進展性のほか、着地の安定性が重視されます。着地の正確性を欠く場合には失敗の程度により減点されます。

配置されるジャッジの数は、その大会レベルにより変わりますが、オリンピックや世界選手権、ワールドカップなどのメジャー大会では、ヘッドジャッジ1名と6~9名のスコアリングジャッジが配置されます。オーバーオールインプレッションシステムでジャッジが6名以上の場合は、そのうち最高点と最低点を削除した平均点でスコアが表示され、セクションバイセクションでは、各セクションに分かれて配置されたジャッジの平均点の合算でスコアが表示されます。

組織紹介

公益財団法人全日本スキー連盟
公益財団法人 全日本スキー連盟(SAJ)は、日本のスキー界及びスノーボード界を統轄し代表する団体。創設は1925年。スキー及びスノーボードの普及及び振興を図り、国民の心身の健全な発達に寄与することを目的としています。SAJは、全日本選手権大会やその他の競技会の開催、競技者の育成・強化、国際大会への代表者選定と派遣などを行なっており、日本のスキー、スノーボード界を代表して、日本オリンピック委員会(JOC)、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)に加盟しています。
http://www.ski-japan.or.jp/

国際スキー·スノーボード連盟
国際スキー・スノーボード連盟(FIS)は、スキーとスノーボードの国際統括機関。設立は1924年。FISは、国際オリンピック委員会(IOC)によって承認されており、国際競技ルールの設定を含め、スキー、スノーボードのオリンピック種目を管理しています。
https://www.fis-ski.com/en

世界ランキング

WSPL(World Snowboard Point List)
ワールドスノーボードポイントリスト(WSPL)は、全世界で行なわれるスノーボードハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエアの各種目のリザルトが含まれる最も包括的なランキングシステム。X GamesやDew Tourの他、オリンピック、世界選手権、ワールドカップなどのFIS公認大会、日本においてはFIS・SAJ公認大会、JSBA・PSA公認大会なども含まれます。ランキングは種目ごと、各選手の52週間のうちのベスト3リザルトのポイントの平均点で順位づけられ、毎週月・木曜日に更新されます。FISではWSPLをワールドカップの出場枠配分やシーディングに使用しています。
https://www.worldsnowboardfederation.org/wspl-ranking/

FIS Point List
FISポイントリストのランキングは、種目ごとにFIS公認大会で付与される各選手の1シーズン中のベスト2リザルトのポイントの平均点で順位づけられます。ベースポイントは毎年6月末に前シーズンのリザルトを反映して発表され、その後シーズン中に約12回前後の回数で更新されます。各選手のポイントは、ベースポイントを上回るリザルトを獲得した場合のみアップされ、下回る場合はベースポイントの数値が1シーズン維持されます。FISポイントリストは、世界選手権のスロープスタイル種目の出場枠配分や、コンチネンタルカップの出場枠配分、各FIS公認大会のシーディングなどに使用されています。
https://www.fis-ski.com/DB/snowboard/fis-points-lists.html

Cup Standings
カップスタンディングスはワールドカップやコンチネンタルカップで付与されるポイントの1シーズンの積算により順位づけられます。種類は、各種目ごとのものと、ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエアの3つを含めたオーバーオールとがあります。ワールドカップスタンディングスはWSPLとともにワールドカップの出場枠配分に使用されます。ワールドカップの年間種目別優勝者には次シーズンのワールドカップの個人枠が付与されます。
https://www.fis-ski.com/DB/snowboard/park-and-pipe/cup-standings.html?cupcode=WC&disciplinecode=OPP

オリンピック出場までのプロセス

統轄組織関係図

選考基準

2024/2025 国際主要大会参戦基準
2025/2026 SAJ強化指定選手選考基準
第25回オリンピック冬季競技大会(2026/ミラノ・コルティナダンペッツォ)派遣推薦基準

略語辞書

SS Slopestyleスロープスタイル
BABig Airビッグエア
OWGOlympic Winter Gamesオリンピック冬季大会
WSCWorld Championship世界選手権
WCWorld Cupワールドカップ
WJCJunior World Championshipジュニア世界選手権
YOGYouth Olympic Winter Gamesユースオリンピック冬季大会
CoCPContinental Cup Premiumプレミアムコンチネンタルカップ
CoCContinental Cupコンチネンタルカップ
UVSUniversiadeユニバーシアード
EYOSEuropean Youth Olympic Festivalヨーロピアンユースオリンピックフェスティバル
NCNational Championshipナショナルチャンピオンシップ(全日本選手権)
FISFIS International CompetitionFISレース
NJCNational Junior Championshipジュニアナショナルチャンピオンシップ(ジュニア全日本選手権)
JUNJuniorジュニア
FIS: ABBREVIATIONS

国立スポーツ科学センターとの取り組み

スノーボード/スロープスタイル・ビッグエアスポーツ科学の活用 Ver.1_2024/08/21
 目次
資料1_競技力向上のための測定と課題の検討
資料2_スノーボードのための筋力トレーニング
資料3_冬季競技のための暑さ対策
資料4_SSBA選手のための遠征時の食事
資料5_メンタルコントロール

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